企業紹介 モデリング × エイチアール協同組合
施設・自治体向け 連携提案文
― ケアリーバー支援を「点」ではなく「地域の仕組み」として成立させるために ―
1.はじめに|本提案の背景と目的
児童養護施設、自立援助ホーム、里親支援機関、そして自治体の福祉・若者支援担当部署におかれましては、
日々、ケアリーバーの自立支援・就労支援・生活支援に尽力されていることと存じます。
一方で、現場では次のような課題が繰り返し顕在化しています。
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就職は決まるが、数か月で関係が途切れてしまう
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「就労支援」と「生活支援」「心理的支援」が分断されている
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企業側の理解度・対応力にばらつきが大きい
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個別支援が属人的になり、地域としての蓄積が残りにくい
本提案は、こうした課題に対し、
「一社の雇用先」や「単発の就労マッチング」ではなく、
地域の中に“受け皿の構造”をつくることを目的としています。
2.提案の基本的な考え方|就職をゴールにしない
本提案において最も重要な前提は、
就職=支援の完了ではないという考え方です。
ケアリーバーにとって就職は、
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生活環境
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人間関係
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経済状況
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心理状態
が同時に大きく変化する局面であり、
むしろ 支援の濃度を下げてはならないタイミング です。
にもかかわらず、現実には、
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就職をもって支援が切り替わる
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担当部署・支援者が分かれる
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情報共有が断絶する
といった構造が存在しています。
本提案は、この断絶を埋めるための
**「中間的・継続的な支援基盤」**を、地域内に設ける試みです。
3.エイチアール協同組合の位置づけ
エイチアール協同組合は、
人材・就労・自立支援に関わる複数の企業・団体が参加する協同組織です。
重要なのは、
協同組合が「人材を集める組織」ではなく、
「企業と人材、支援と現場をつなぐための調整機構」
として設計されている点です。
協同組合の役割は、
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一社依存を防ぐ
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企業間で役割を分散する
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若者を“囲い込まない”
という、リスク分散と選択肢確保にあります。
4.モデリングの役割|現場調整・翻訳機能
モデリングは、
エイチアール協同組合の中で、
**「現場と支援、企業と本人の間を翻訳する役割」**を担っています。
具体的には、
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本人の状態・特性を、職場で理解可能な形に整理
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企業側の期待・役割を、本人が受け取れる形に調整
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支援員・自治体の見立てを、業務設計に反映
といった調整業務です。
この機能により、
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誤解や行き違いが深刻化する前に修正できる
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感情的な断絶を回避できる
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「問題発生後対応」ではなく「予防的支援」が可能
となります。
5.本連携モデルの全体像
本提案における連携モデルは、
以下の三層構造で成り立っています。
① 施設・自治体(支援の基盤)
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生活・心理・制度面での継続支援
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本人の背景理解・見立て
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緊急時のセーフティネット
② エイチアール協同組合(受け皿の構造)
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複数企業の参画
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役割分散・調整
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一社依存の回避
③ モデリング(翻訳・調整・定着支援)
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現場レベルでの調整
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情報の整理・共有
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つまずきの早期発見と修正
この三層が連動することで、
「就職して終わり」ではない支援構造が成立します。
6.施設・自治体にとっての連携メリット
(1)支援が「個人技」にならない
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担当者交代時も情報が引き継がれる
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経験やノウハウが地域に蓄積される
(2)企業対応の不安が軽減される
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企業側に支援文脈を説明する負担が減る
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調整役が明確になる
(3)「失敗後」の行き先を確保できる
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一度離れても関係が切れない
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再選択・再挑戦が制度的に可能
7.想定される連携形態
自治体・施設の状況に応じ、
以下のような形態が想定されます。
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モデル事業(試行的導入)
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既存就労支援事業との連携
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定着支援フェーズでの協働
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地域協議会・連絡会への参画
いずれの場合も、
既存支援を否定・置き換えるものではなく、
不足部分を補完する形での連携を前提としています。
8.「定着率」だけを成果指標にしない理由
本提案では、
定着率のみを成果指標とすることを推奨していません。
なぜなら、
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無理な定着は本人を追い込む
-
表面的な数字が実態を隠す
可能性があるためです。
代わりに重視するのは、
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本人が状態を言語化できたか
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相談行動が取れたか
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再選択が可能な関係性が残ったか
といった プロセス指標 です。
9.本提案が目指す最終像
本連携が目指すのは、
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特定の企業の成功事例
-
一時的な就職率向上
ではありません。
目指すのは、
「ケアリーバーが地域の中で孤立しない構造」
を、制度と実務の両面で残すことです。
10.施設・自治体の皆さまへ
本提案は、
即効性のある魔法の解決策ではありません。
しかし、
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現場の実情を前提にし
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失敗や中断を想定に入れ
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支援が切れない構造を残す
という点において、
現実的で、検討に値する連携モデルであると考えています。
11.結び|地域として「一人にしない」ために
ケアリーバー支援は、
個人の善意や現場の努力だけでは限界があります。
だからこそ、
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組織
-
仕組み
-
連携
が必要です。
エイチアール協同組合と
モデリングは、
そのための 「間に立つ存在」 でありたいと考えています。